だいぶ前のミネラルフェアで買ったもの。飾っていたらホコリがついてしまいいつの間にか忘れてしまっていた。最近気づいて水洗いしたら画像のように光を取り戻した。トルコ石は小さい粒だが、目の覚めるような鮮やかな空色である。いわゆるターコイズ(トルコ石の)ブルーだ。真鍮色(淡い金色)の鉱物は黄鉄鉱(硫化鉄)で、黒い部分は針鉄鉱である。石英脈に埋もれており、母岩(ぼがん)は白っぽい火山岩のようである。
ラベルを紛失したので残念ながら産地ははっきりしない。確かアメリカのアリゾナあたりの鉱山だったと思う。産地は乾燥地帯に多く、多湿の日本ではほとんど産出しない。中央アジアの産地からトルコを経由してヨーロッパに運ばれたのでトルコ石という。
トルコ石は銅とアルミニウム、リンの化合物である。銅鉱山の近くで鉱石が風雨で分解して銅を含む鉱液ができ、他のアルミニウムやリンを含む鉱物と反応してできる。黄銅鉱が分解してできる硫酸銅は鮮やかな青色でトルコ石の色の基になる。微細な結晶の塊りのため乳濁しており、独特の魅力がある宝石である。
机の上で蛍光灯を近づけ、ひねくって輝きを見ていると飽きない。手の中に入る大きさで、適度の重さを感じるのも金属鉱物らしくて良い。さらに10倍のルーペで細かく見ると迫力である。小さいものでも十分楽しめる