植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

千両万両アリドオシ

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センリョウ(千両)やマンリョウ(万両)は、冬でも葉が落ちず真っ赤な丸い実がなる。名前も昔のお金を表していて景気が良い。街中でも庭先などによく植えられていて見ると寒さが和む。ヤブコウジも同じような実と葉の小低木で、こちらは別名十両という。

 

百両と一両もちゃんとあり、昔から縁起物ものとして喜ばれ栽培されてきた。今までも街角の鉢植えなどで見ていたのかもしれないが、皆よく似ているのでどれがそうなのかわからなかった。最近公園で名札付きのものを見かけて、ようやく万、千、百、十、一両について全て実物がわかった。

 

一両は正式名をアリドオシ(蟻通し)といい、「千両、万両有り通し(ずっと有る)」の語呂合わせで、縁起が良いとされてきた。マンリョウと同じアカネ科で高さ50㎝ぐらいの常緑低木である。ちなみに千両、百両、十両サクラソウ科だ。花期は4-5月で冬に径5㎜ほどの赤い球状の実をつける。枝に長さ1-2㎝の鋭いトゲがあるため、アリも刺し通すというのが名前の由来らしい。アジアに広く分布し、日本では関東以西の林下などに生えている。

 

正月に真っ赤な実は初日の出や日の丸の旗を思わせる。こういうものが身近な自然の中にあり、純粋に美しく感じられ、メデタイと思えるのは日本に生まれた幸せだと思う。

 

葉が痛んであまりキレイではないが、百両(カラタチバナ)の画像もあげておく。

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