植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

普通のシダ

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このところ近場のシダを見て回っている。“普通の”シダは皆同じに見えて、最初のうちは区別すらできなかった。それでもじっくり観察し、写真を撮って図鑑やネットで調べていくうちに、徐々にいろいろなことが分かってきた。

 

自宅から歩いて20分ぐらいの丘陵地で群落を見つけた。雑木林の中を通る道の脇の斜面で、冒頭の画像のように昼なお暗い、というような場所である。今は木の葉が落ちて一部日が射している。ここで一番多いのはすでに紹介したベニシダで、葉の長さが1mを超える大きな株も多い。それにヤマイタチシダが時々混じる。さらに調べると、ベニシダによく似たオクマワラビやフモトシダが一緒に生えていることが分かった。

 

同じ丘陵地でも、石垣の隙間などの人工物から生えているものは種類が異なっている。以前紹介したヤブソテツやイノモトソウが多いようだ。山菜としてよく知られているワラビやゼンマイは古い民家の近くで群落が見られることがある。地上部は冬には枯れてしまうので今は見られない。

 

数キロ離れた別の2か所でも調べたが、基本的に同じ構成だった。近場の優占種がある程度わかってきたので、これから細かく調べていこうと思っている。

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初出のシダについて調べたことを記しておく。オクマワラビ(雄熊蕨)はオシダ科。名前は葉柄に黒褐色の剛毛のような毛があり、熊を思わせるためである。よく似たベニシダの葉が全体として三角形をしているのに対して、長楕円形である。胞子嚢と包膜も円形でベニシダに似ているが、ソーラス(胞子嚢群)が葉の先端から半分ほどしかついていないのが特徴だ。

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下図のフモトシダは、文字通り麓(ふもと)のシダで、山麓や丘陵地に生える。近場のものもまさにそんな場所にあった。コバノイシカグマ科で、他の2回に対して1回羽状複葉である。小葉の切れ込みをピッタリくっつけて滑らかにしたような感じだ。胞子嚢は円形、包膜はポケット型で毛がある。

 

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