霧雨の降るなか雑木林の横を歩いていて、草むらで赤い実を見つけた。ヒヨドリジョウゴの実だ。雨に濡れてフレッシュな感じが引き立っている。
以前花を紹介したことがある。白い花弁から大きな黄色い雄シベの束が突き出した、典型的なナス科の花の特徴を持っていた。実もそうである。
直径8㎜ぐらいと小さいが、実の丸い形や鮮やかな色は同じ科のトマトそっくりだし、艶やかな実の表面の光沢もピーマンやトウガラシなどと共通する。ついでに毒成分を含むところもナス科植物にままあることである。この成分はソラニンといって、よく知られているジャガイモ(これもナス科)の芽の中毒成分と同じである。
ヒヨドリが大騒ぎしてついばむので、酔っ払いとかけてヒヨドリ上戸とのこと。それにしては冬まで残っているのを見かける。単なるイメージの問題か。解毒できるのか。はたまたお腹が空いて仕方なく食べて苦しんでいるのをたまたま見られたか。