場所は箱根の湿原だ。ほとんど実になっていたが、ようやく花を見つけた。名称は花びらの斑点を夜明け(あけぼの時)の星空に見立てたことに由来する。接写で拡大してみて改めてその澄み切ったたたずまいに驚いた。見方によっては奇妙な模様なのに、おそらく純白であるよりピュアな印象は強いであろう。
リンドウ科センブリ属。日本各地、東アジアに自生する。二つの緑の点は蜜腺で、アリが好んで訪れ受粉を媒介する。花弁は5枚が標準的なのだが、画像のものは4枚だ。ネットの画像にも4枚の場合があり、3枚から7枚のものまである。おおらかな性格のようだ。
かつては近場の多摩丘陵でも見られたとのこと。そんなに昔のことではない。何故なくなってしまったか?思うに、①開発により生育地の湿地がなくなった。②大気汚染など環境の悪化。③地球温暖化により生育適温でなくなった。④外来種に追い出された。⑤マニアが持ち去った。おそらく全部であろう…。