植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

タチスズメノヒエ(立ち雀の稗)

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珍しめの植物が見たいと思って丘陵地の雑木林を歩いてみた。猛暑とここのところの天候不順でひどく蒸し暑い。当然誰も歩いていない。汗だくになり、蚊や小さな虫が寄ってきて鬱陶しい。しかも目ぼしいものはナシ。アブラゼミジージーという鳴き声にミンミンゼミとヒグラシが混じり、季節の移ろいを感じるだけ。あとは夏草が繁茂するばかり…。

 

道端の夏草で目立つのはヒメジョオンなどを除くと、ほとんどがイネ科のものだ。オヒシバ、メヒシバは分かるが、他はみな似ていて見分けがつかない。そんな中で背が1.5mほどと高く草むらから穂を突き出しているものがあった。珍しいものではないが調べてみた。

 

南アメリカ原産のイネ科植物。近縁のスズメノヒエは穂の枝分かれが3~4本だが、これは10~20本と多いのが特徴。個々の副穂は若いうちは雄シベの葯で白く見え、実が成熟したものは茶色っぽくなる。

 

ヒエ(稗)は最近では健康食品などに使われているいわゆる雑穀類である。役に立たないヒエという意味で「スズメ(雀の)」が名前に付いている。穂が直立するので「タチ(立ち)」というが、成熟すると垂れてくるようである。

 

道端の雑草でも名前が分かると嬉しい。