雑木林が新しく切り開かれたところに白いハルジオンが群れていた。その中で1本だけ紅色に染まったものがあった。中央の黄色との対照が鮮やかで、まるで別種の植物のようである。周囲のものもよく見ると微妙にピンクに色づいているが、こんなに濃い色のものは珍しい。
綿毛の付いた種を飛ばすため、日当たりのよい空き地ができるとすぐに進出してくる。また、夏草が生えてくる前の今頃、急速に伸びて花を咲かせる。そのためこの花ばかりが目立つことになる。
昨年(4月23日)もハルジオンを紹介した時、ピンク色の筆でこすったように色づいた花があった。ここ数年増えてきたように感じる。少し検索してみたが、色づくことについてはっきりした理由は分からなかった。ただ、北米原産でもともと園芸種として明治期に移入されたもので、当初はピンクのものが普通だったようだ。その後野生化して分布を広げるとともに白っぽいものが主になった。そうすると先祖返りということになる。
この植物は酷似したヒメジョオンとの識別がいつも問題になる。ヒメの方は花びらが基本白色なので、色の有無は簡単な指標になるかもしれない。