これもサトイモ科テンナンショウ属の仲間。林の中の沢沿いなど湿ったところに、大型の葉を広げて群れていた。葉は2本出て、太い葉柄に3枚の小葉が付く。小葉の縦幅は30㎝ほどある。この大きな葉に隠れるように花穂をもたげている。
下に示したように、花の特徴は先に紹介したウラシマソウと同じで、何とも異様な姿である。仏炎苞(ぶつえんほう、花穂を包むもの)が折り返した先端が少し垂れて黒光りしている。この形が、昔の武蔵国(むさしのくに)産の馬の鐙(あぶみ)に似ている、というのが名前の由来だそうである。残念ながらイメージが湧かない。
いきなり見せられたら植物とは信じられないだろう。苞の表面のスジの感じとかは、ナマコなどの海の軟体動物的だ。というか、SF映画のエイリアンに似ている。やはり宇宙から来たものみたいだ。