植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

鎌倉古道とツボスミレ

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都心からほど近いハイキングスポットとしては高尾山が有名だが、その近くに位置する多摩丘陵は意外と知られていない。実は手ごろなハイキングコースがたくさんある穴場である。一番高い所でも200mちょっとの丘陵地で、東京都の南西部の大きな面積を占める。昔ながらの里山風景が奇跡的に残っているところである。

 

あまり知られていないが、広大な雑木林の中には鎌倉の切通しのような古い土の道が縦横に通じている。これは鎌倉古道と呼ばれる鎌倉時代以前からの歴史ある道である。継続して交易路や生活道として使われていたため、きれいに残っていて歩きやすい。地形に沿って屈曲や起伏があって変化に富み、探検気分になる。景色が開けた所では、東京横浜の市街地から丹沢山地、富士山まで望める。

 

またここは里山や林縁・林床の植物の宝庫でもある。新緑の中今日も歩いてみたが、足元にはキンランやホウチャクソウなどの花が次々と現れて楽しい。

 

画像は、古道で見つけたツボスミレである。湿気が多い所に大きな群落になっていた。ツボとは坪で、庭の意味である。要するに庭のスミレというのだが、なぜか今まで見たことがなかった。全体に小型で花も白くて小さく、目立たない。ハート型の葉が印象的である。名前の似たタチツボスミレとはあまり似ていない。

 

スミレ類の中では開花が一番遅い。今年も早春からのスミレの季節がそろそろ終わり、初夏に切り替わっていく。