植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ナノハナとスタジアム

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与謝蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」の句は、春の夕暮れ時の菜の花畑を詠んだものとされている。しかし、昼と夜だけでなく過去から未来への時間の流れや、宇宙的な空間の広がりまで感じられる。好きな句である。

 

彼の時代(江戸中期)、庶民にも安価な菜種油が灯明に使われるようになり、菜の花畑がどんどん広がっていった時期に当たる。夜の風景が変わるとともに、昼の情景も変わっていく時期に当たっていた。つまり蕪村には新しい時代の景観であったのだ。

 

遠景はワールドカップの記憶も新しい横浜国際総合競技場日産スタジアム)である。できた頃は、周辺は横浜市郊外ののどかな風景が広がっていたが、ひっきりなしに建設工事が行われてどんどん変貌している。ナノハナには未来的なものが似合うと思う。