近所に毎年この花を見に行っている場所がある。多摩丘陵の南の端に当たる細長い高地の斜面で、近くまで住宅地が迫っている。ここはかつての里山の名残と思われる雑木林が保存されている。この木が生えているのは林の中の薄暗い所で、よく探さないとわからない。
先に紹介した街で見かけたものは花が多かったが、自然のものはこの程度の花付きで葉も大きくなっている。花は普通下向きや斜め下を向いているものが多いのだが、この木は横に突き出している。そのため五芒星(ごぼうせい:5本の直線で作られ、中央に5角形が現れる星形)型の花びらの形がよくわかる。左側は六芒星なのでしっかり決まったものではないようだ。
バラ紅色で、ロウ細工みたいな質感があり、クリスマスの飾りみたいな楽しさを感じる花である。