コケ(苔、蘚苔類)は、木や草と違って花が咲かず、自然の中で小さく地味な存在である。以前から興味はあったのだが、我が博物誌でも後回しになっていた。最近ちょっとしたきっかけから改めて観察を始めた。
調べると愛好家が多いようで、ブログやHPは多数あり、きれいな図鑑等も多数出版されている。ただ街中や野山の至る所にあるのに、名前がわからない。どうも同じ種類でも、濡れて水が潤っているときと、乾燥した時で様相がガラッと変わってしまうためのようだ。また、生育ステージや胞子嚢の有るなしでも印象はまったく違う。数種類が混じって生えているのが普通である点でもややこしくなっている。
こういう時は、習うより慣れろだ。身近に多い種類を片っ端から写真に撮って名前を調べていこうと思う。間違っていたらそのうち訂正します。
画像は多摩丘陵の道沿いで見かけたもの。場所は谷沿いのやや湿った斜面で、枯れたものが長年積み重なってマット状になっている。主にシノブゴケ(忍苔)という種類で、丸っこいホウオウゴケ(鳳凰苔)が少し混じっている。シダ植物のノキシノブに似ているとのことだが、私にはスギなどの木の葉に見える。ただし大きさはセンチやミリのレベルで色も単純。まるでミニチュアか子供のおもちゃである。だが独特の清澄な雰囲気と「カワイイ」感があるのも確かだ。