里山公園の一角に大きなコブシの木がある。今はもちろん葉を落としているが、見上げると枝が幹に対して直角に出ているのが特徴的だ。その繰り返しで、青空に面白い模様を描いている。羽毛のような毛に包まれた花芽も少し膨らんで、日が当たって暖かそうだ。あとひと月もすると梢一杯の白や薄紫の花に変わる。
モクレン科。要するに花が小さいモクレンだ。20mぐらいの大木になる。葉や花には芳香がある。日本各地の野山に自生しているが、庭木としても普通に植えられている。
コブシの名前の由来は定説がないそうだ。膨らんだツボミが丸めた紙のような感じなので、子供のこぶしに見立てたというのがもっともらしい。漢名辛夷(しんい)は生薬(漢方薬)名である。