ザクロ石(ガーネット)は二つの構成元素の組み合わせでかなり種類がある。画像に示すのは灰鉄柘榴石(かいてつざくろいし、アンドラダイト)と呼ばれるものだ。カルシウム(石灰)と鉄のケイ酸化合物である。鉄を含むせいか、母岩も含めて全体に鉄サビのイメージの色だ。沈んだ色だが、光を浴びると強く煌めく。
光っている面が少し虹色を帯びていることがお分かりだろうか。あまりはっきりしたものではないが、いわゆるレインボーガーネットである。ガーネットは通常貴石ぐらいの価値だが、虹が顕著で美しいものは宝石扱いされるぐらい高価だ。
虹色の反射は結晶面の薄膜の干渉現象によるとされる。そういえば鉄サビが浮いた水面が虹色を呈することがある。
結晶は、12個の面が同じ菱形(ひしがた)の菱形十二面体(りょうけいじゅうにめんたい)というタイプが多い。光り方は光源や露出で大きく変わってくるので、撮影が難しい。
マグマが石灰岩に接触したところにできるいわゆるスカルン鉱物の代表的なものである。そのため、レインボーではないものなら出るところでは大量に出る。山の中の廃鉱山で、あたりに結晶が散らばり、全体が陽を浴びてキラキラ輝いているところを見たことがある。