長い花茎の先端に、直角に近く曲がってツボ型の花弁のない花が付く。それを昔の喫煙具であるキセルの先の雁首(ガンクビ)に見立てた命名である。黄色い雄シベは火がついたタバコだろう。
先に紹介したサジガンクビソウの花は真下を向いており、こちらは斜め下45度といったところ。葉の形も違う。どちらも雑木林の中の暗い林縁の植物だが、だいぶ印象が異なる。同じ里山の南と北(サジ-の方)の斜面に生えており、花の時期も少しずれていて、うまく住み分けているようである。
キク科。類縁にヤブタバコ(薮煙草)という種類があり、こちらはタバコ(植物)を思わせる大きな葉を持ち、花茎の葉の根元ごとに花を付ける。仲間が全部タバコに関連した名前であることはおもしろい。