シソ科の草は多いが木は珍しい。林縁などに生える小高木だ。ハート形の大きな葉に触ると独特の臭みが出るので臭木(クサギ)という。花や実の豪華さを考えるとちょっと気の毒な名前だ。
花は見た通り派手で、甘い芳香が強い。花から雌シベ1本と雄シベ4本が長く突き出しており、一方が下に垂れたものが混じるのはおもしろい。根元の赤紫に染まった袋状のものはガクだ。
花後はガクが濃い赤紫色になり、五裂して星状に開く。それにビニールのようなツヤのある瑠璃色の丸い実が乗っている。極彩色のユニークな果実でやはりド派手である。少し植物に興味がある人なら10月頃の野山で見たことがあると思う。