和紙の原料として知られるコウゾ(楮)はこの植物とカジノキ(梶)の雑種でずっと大きくなる。いずれも紙の原料にされる。要するに栽培されるコウゾに対する、小型の原種である。近場のものは1-2mぐらいの灌木で、雑木林の林縁などで群生していた。
日本で自生するクワ科植物。葉の形が非対称でいろいろなタイプがある。花は葉の陰になり目立たない。ところがよく見ると大そう変わっている。画像のように雌雄の二種類があり、径5㎜ぐらいで赤紫の毛みたいなもの(花柱)が出ているのが雌花、やや大きい白っぽいゴマ団子みたいなのは雄花である。初めて雌花を見たときは奇怪な虫こぶか何かのようで禍々しいものを感じたが、けっこうポピュラーな植物の花だったわけである。
6-7月頃に径1㎝ぐらいの橙赤色の実が熟し食べられる。以前から変わったキイチゴだなと思っていたが、今回調べてようやく正体がわかった。