春らしい晴れた日。路傍でカラスノエンドウ(左)が小さな赤紫色の花を付けていた。そのうち小さなえんどう豆みたいな実になる。さらに実が枯れると莢が黒くなり、これが「カラス」の名の由来とのこと。ただし、食べられない、役に立たないという意味で動物の名を冠したものであることも明らかだ。見慣れているとはいえ、拡大すると結構きれいだ。
植物図鑑によるとずっと小さなスズメノエンドウ(右)という植物がある。長い間実物は見たことがなかったが、ある時日当たりのよい斜面でワラビを探していて偶然見つけた。遠目には緑色の糸が絡まっているようだった。確かに何もかも小さい。ほのかに赤紫色がかかった白い花は、縦2ミリぐらいなので白い点にしか見えない。
これらの植物はツルが立ち上がる性質があり、互いにヒゲでもつれ合って一気に嵩が大きくなる。小さなツル性の植物は何かに巻き付くだけでは、日当たりの点で他の背が高い植物にはどうしても負けてしまうので、このような戦略をとっているのだろう。なるほどと思った。