日本の桜の基本原種のひとつ。伊豆大島に多く自生するのでこの名がある。潮風が強く火山の噴火の被害に遭うような環境でも生育する丈夫な樹種。分布する地域からフォッサマグナ要素の植物とされている。成長が早くがっしりしているので古くから薪炭用に本土に移植され南関東に広がった。画像の花を撮影した木も町田市かしの木山公園にある高さ12mの木だ。太い枝が横に広がる大木である。
ヤマザクラ同様葉芽と花が同時に出るタイプで、大型の花を咲かせる。葉芽の色は黄緑色で花は白色なのが特徴。花や葉にほのかな甘い香りがある。桜餅の葉はこの樹種だ。他のサクラにははっきりとわかる香りはない。「雰囲気」みたいな妖しい芳香を感じるときはあるのだが…。
近場ではソメイヨシノに遅れて開花する。この原種から八重種が生まれたため八重桜の開花も遅い。また、ソメイヨシノの片親でもある。大型の花と樹高、がっしりして丈夫な性質が受け継がれたようだ。