多摩丘陵の固有種として有名なこの植物。関東地方から静岡県に広く分布するカントウカンアオイに対して、丘陵の中心部はほぼこの種類のみとなる。
以前から関心を持っており、冬枯れの雑木林で探してみた。絶滅危惧種でもあり、なかなか見つからなかったが、ちょっと意外な場所で出会えた。
カントウの葉が平板的でツルッとした艶消しなのに対し、タマノの葉は葉脈の部分がへこんでおり、なめし皮のような光沢があって微細な毛がある。この点に注目すれば識別できる。
葉の形は葉柄の部分が深く切れ込んだハート形であり変化が多い。葉の模様はいずれも薄緑の雲紋やモザイク模様で、バラエティに富んでいる。タマノの方は模様が淡く、無地のものも多いように思う。
開花時期は真冬のカントウに対して4月頃である。濃い紫の奇妙な花とのことなので今から楽しみにしている。