植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

タマノカンアオイ

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 多摩丘陵の固有種として有名なこの植物。関東地方から静岡県に広く分布するカントウカンアオイに対して、丘陵の中心部はほぼこの種類のみとなる。

 以前から関心を持っており、冬枯れの雑木林で探してみた。絶滅危惧種でもあり、なかなか見つからなかったが、ちょっと意外な場所で出会えた。

 カントウの葉が平板的でツルッとした艶消しなのに対し、タマノの葉は葉脈の部分がへこんでおり、なめし皮のような光沢があって微細な毛がある。この点に注目すれば識別できる。

 葉の形は葉柄の部分が深く切れ込んだハート形であり変化が多い。葉の模様はいずれも薄緑の雲紋やモザイク模様で、バラエティに富んでいる。タマノの方は模様が淡く、無地のものも多いように思う。

 開花時期は真冬のカントウに対して4月頃である。濃い紫の奇妙な花とのことなので今から楽しみにしている。