先日四季の森公園の観察会に参加したのは、セツブンソウ(節分草)が見たかったからだ。昨年は3月初旬に行ったところ、花は枯れて葉だけが目立っていた。今年こそはと期待したが、寒風の中1輪だけ咲いており、それもあまりに小さくて寂しげであった。横にある丸っこいものはドングリの帽子である。比べると小ささがわかると思う。
1週間後に再度見に行くと、暖かい日があったせいか花の数が3,4輪に増えていた。咲いているのは石垣の上の急斜面で、近づけないようになっている。不届き者から守るためには仕方がないと思うが、私の小さなデジカメのズームでは撮影は大変であった
というわけで,苦労してやっと撮れたのが上の画像である。逆光だしピントが合っていないので、花の詳細は分からないと思う。
しかし、今回はこの花のたたずまいを見てほしい。
花の少し下の茎の途中から柄のない葉が一対出ている。葉は切れ込みが深くて掌(てのひら)のようである。まるで春の気配を感じてひょいと顔を出した小さなイキモノが、光を発しているようではないか。
キンポウゲ科で、例によって白い花びらに見えるのは萼片だ。紫色の雄シベの周りを、花びらが変化した黄色い蜜腺が首飾りのように取り巻いている。その見事な造形については、ネットに美しい画像がたくさんあるので参照されたい。