植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

謎の光点

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 以前、神奈川県秦野市の郊外で仕事をしていたことがある。ある早春の夕方、私は駅行きのバスを待っていた。バス停は、山裾の高台にあり、秦野盆地を囲む山々が一望できた。その向こうに富士山がきれいに見えた。ちょうどそこに陽が沈み、澄んだ空に光で縁どりされたシルエットとなって、大変雄大な光景となった。

 ふと、富士山の上空やや海側の空に小さな光点があることに気づいた。色は夕焼け雲と同じである。高度は富士山を基準にすると1万メートルぐらいか。最初は金星(宵の明星)かと思った。しかし、宇宙的な高度のように思えない。また、流星ならすぐ消えてしまうだろうし、彗星だとするとやけに光がくっきりしている。飛行機とも思ったが、点滅していないし動かないので違うようだ。鳥なら生き物的な動きをするだろうし、高度が高すぎる。小さな浮浪雲かとも思ったが、時間がたっても大きさや形の変化はない。

 次に人工衛星かと考えた。通常は見えないが、日の出、日の入りの頃は、暗い空に対して、飛んでいる上空は陽が当たっているので反射して強く光り、目立つのである。また、高高度を飛んでいるので、ちょっと見たぐらいでは静止しているように見える。

 いや違う。光点は富士山の方向に動き出した。人工衛星なら、一定の軌道上を飛ぶのでこのような動きはしない。

 ということは…。 消去法でまさにUFO(Unidentified Flying Object)だ!宇宙人の乗り物とは限らないが、未確認の飛行物体だ。富士山の大きさに対して、はっきり識別できる大きさの光点であるから、巨大な物体ということになる。

 目が離せなくなり、ずっと見続けていると、その光点は、徐々に高度を下げて富士山に近づき、ついにその向こうに隠れてしまった。この間20分ぐらいであった。

 その後すぐにバスが来て、夕やみ迫る街を駅に向かっていった。頭の中は、富士宮あたりに襲来するUFOのイメージで一杯である。きっと大変なことになっていると思ったが、その日のネットにも、翌日の新聞テレビでもまったくそんなニュースは無かった。

 いまだに何であったのか謎である。