この画像はキンランを真上から接写したものである。こう見ると蘭そのものだが、非常に小さい花である。
キンランとギンランを知った時、貴重なお宝を見つけたようで、豊かな気分だった。接写で拡大すると増々美しい。ところが、夏の頃観に行くと何本もあったキンランが消えていた。よく見ると、何と根こそぎ株が掘り取られていた。心から悲しくなった。
住宅地の裏山のようなごく身近なところに奇跡のように残っている自然も、こんなことではあっという間に消えてしまうのではないか。しかも、キンランは共生の程度が高いので、掘り取って植木鉢に植えても、育つことができない。生えているところから持ち出すことは枯らしてしまうだけの愚行である。
翌年も歩いてみたら、別の場所でキンランを見つけてホッとした。この花は地味なので見つけるにはかなり努力がいる。春は黄色い花が多いので、まぎれるともうわからない。場所と花期はもう誰にも教えない。(「キンランとギンラン」おわり)