植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

街の花

シラユキゲシ

住宅地の中、昔ながらの谷戸と雑木林を残した公園。薄暗い中を歩いていると白い花が目を引いた。高い木々の下のたまに木漏れ日が差すような地面に群落を作っている。草丈は30㎝くらい。花は径2-3㎝の4弁で中央のオレンジ色の雄シベが目立つ。葉はフキのよう…

白いユウゲショウ

ユウゲショウの濃いピンクの花を街中の至る所で見かけるようになった。初夏から夏中咲き続ける。黄色い花のブタナなどと混在していると色の取り合わせがよく、上品で美しい。そのため家の前などに生えていると、雑草として抜いてしまうのは惜しいような気が…

チガヤの群生

相模川の堤防上の空き地に銀白色の穂が一面に広がっていた。高さは50㎝くらい。柄が茶色のため目立たず穂だけが宙に浮いているように見える。何か白いものが一斉に草原から噴き出しているようで不思議な感じだ。春風に揺れていると独特の風情がある。 イネ科…

オッタチカタバミ

相模川の土手の上を歩いていると、小さな空き地を黄色い花が一面に覆っていた。鮮やかな黄色の花と黄緑色の葉が爽やかで春らしい感じがする。花と葉はカタバミそっくりだ。しかし茎が地を這うカタバミに対して、茎が立ち上がり根元で分岐して長い花茎がいく…

アメリカハナズオウ

あるマンションの入り口付近に植えられていたもの。昨年夏ごろから通りすがりで見ていたのだが、何の木かわからない。高さは5-6mあり、ハート形の葉をつけている。おそらく外国産の園芸種だろうと思っていた。冬は葉を落とし、今頃になって花が咲いた。蝶形…

カントウタンポポ

まだ寒い日はあるものの春本番となってきた。路傍のタンポポも今盛りである。ありふれた花であるが、ひざまずいて見入るとその華やかさに改めて気づく。大きな花束のようになっているとなおさらだ。 日本在来種のタンポポは地方によって亜種があり、関東地方…

ヤエムグラの花

アカネ科。以前面白い形をした実に注目したことがある(2021年4月20日付け)。近場では代表的な雑草だ。路傍でも花壇の一角でも、ちょっとした地面があるとどんなところでも生える。しかも真冬の1,2月頃からもう芽を出している。今は高さ30㎝ぐらいでどんど…

川沿いのヒメスミレ

ここ数日暖かい日が続いた。いつもの街中の川沿いを歩いていると、鮮やかな紫色の花が目についた。ヒメスミレだ。株の大きさに不相応なくらい多くの花を付けている。 護岸のコンクリートと道路のアスファルトのすき間に点々と生えている。スミレと同じように…

ノジスミレ(野路菫)

スミレの仲間が咲き始めている。やたら数が多いタチツボスミレは陽だまりなどでは2月頃から花を見かける。しかし本格的に咲くのはもう少し後だ。近場で一番早いアオイスミレは心当たりを探しても見つからなかった。その代わりに見つけたのがノジスミレである…

アセビの花

公園を歩いているとアセビが生け垣のように植えられていた。壺形の小さな花が房になって垂れ下がり、赤紫がかっていた色が開花とともに純白に近くなっていくようだ。接写してみると磁器のようなツヤがあり透明感がある。ガクや房の軸も白に近い色である。早…

スズメノエンドウ

日当たりのよい道端に、カラスノエンドウと入り混じるようにツルを伸ばしていた。近くに寄らないと生えていることすら気づかない。拡大すると、赤銅色のツルと巻きひげが作る曲線が独特で美しい。 カラスより小さいのでスズメノエンドウという。超小型ながら…

カラスノエンドウ

1週間ほど暖かい日が続いた。日当たりのよい道端の黒土からは一斉に草が伸び始め、もう花までつけているものもある。画像はカラスノエンドウだ。少し気を付けて探すと至る所に生えている。 マメ科ソラマメ属。つる性で偶数複葉の先端が巻きひげになっている…

もうすぐ開花(その2)

立春は過ぎたが、その後また寒中のような寒さになった。もうすぐ開花する木の花を先週とは別の公園で探した、場所:神奈川県立四季の森公園(横浜市)、相模原北公園 マンサク(上の画像) もうつぼみが割れて黄色い花びらが出始めている。やはり「先ず咲く…

もうすぐ開花

2月になった。前回の公園で見つけた木の花のつぼみ。 これは白梅。だいぶ膨らんで花びらがちょっと顔をのぞかせている。暖かい日があれば開くだろう。思い出すのは、小田原の近くの曽我(そが)の梅林だ。早い年は2月初旬から見ごろになる。山と海の絶妙の配…

早咲きのウメ

東京都町田市薬師池公園の梅林。薄曇りで寒風が吹いている。遠くから見ると花はまだ早いようだ。近くまで歩いてきて甘い香りに気が付いた。数本の黄色いロウバイとともにピンク色の梅の花が見えた。 拡大するとまあ派手だ。径2㎝ほどあり、目立つピンク色の…

ヤドリギのシルエット

ヤドリギ(宿り木)のことを知っている人は多いと思う。しかし都市部に住んでいると実物に出会えることはほとんどない。思い立って近場で探してみた。常緑なので、木の葉が落ちた今は見つけやすい。 画像は団地のケヤキ並木の一本に見つけたもの。ただの葉の…

森ビル科ヒルズ属

多摩丘陵の林の中は大好きだが、都会も嫌いではない。たまに都心に出て精神のバランスをとっている。コロナのせいでご無沙汰だったので、久しぶりだ。来てみると大きく様変わりしていた。再開発のためクレーンだらけで迫力ある景色である。 神谷町(かみやち…

千両万両アリドオシ

センリョウ(千両)やマンリョウ(万両)は、冬でも葉が落ちず真っ赤な丸い実がなる。名前も昔のお金を表していて景気が良い。街中でも庭先などによく植えられていて見ると寒さが和む。ヤブコウジも同じような実と葉の小低木で、こちらは別名十両という。 百…

ガマの綿毛

いつもの街中の川。12月も末だが、冬晴れで日向はまだ温かい。川面には快晴の空が映ってさわやかだ。微風が吹いており、小さな綿毛のようなものがチラホラ飛んでいる。川を見ると枯れた長い葉と白い綿毛のカタマリが付いたものが並んでいた。ガマ(蒲)の穂…

線路のユリ:冬

今年の夏、街中でやたら見た白い花シンテッポウユリの花ガラである。場所は駅構内の線路で、手前は砂利だ。いまだに長い花柄の先にガクが残っている。冬至過ぎの弱い陽光を浴びて淡く光っており、別種の花のようだ。 在来種のテッポウユリと台湾原産のタカサ…

原種スイセン

古い住宅街の園芸店。丘陵地にあり、急斜面を利用した広い庭園のあるお宅を改装したものである。色々なところにセンスが光る。今の時期置いてあるのはシクラメンやスイセンが主だ。見たことのない変わった色や形の花や、珍しい原種の鉢などを見せていただい…

ヒマラヤザクラ

晴れてはいても寒風が吹く中咲いている桜だ。前回と同じ公園で教えていただいたもの。高い木で、上の方で他の木に紛れて咲いているため今まで気が付かなかった。名札にヒマラヤザクラとある。 20世紀後半にネパールの元国王から日本の桜などと交換に贈られた…

ヒイラギモクセイの花

秋が深まって寒風が吹き始めると、サザンカなどを除いて街の木の花も寂しくなってくる。街を歩いていて生け垣に白い花が咲いているのに気が付いた。ヒイラギモクセイ(柊木犀)だ。クリスマス(もう来月だ!)のシンボル的なヒイラギ(柊)とはちょっと違う…

ツタが描いた絵

朝、駅で電車を待っていたら、向かいの白いフェンスにツタがツルを伸ばしていた。変わった模様だったので写真を撮った。隣で待っていた人は何を撮っているかわからないようで、変な顔をしていた。電車が来たのでそそくさと乗った。 どうです、遠くの山のよう…

街の草黄葉(くさもみじ)

民家の前で見かけたヤマノイモだ。葉はきれいに黄色くなり、大きなムカゴが付いている。土の中のイモまで想像するとこれも実りの秋を感じさせるものである。この家の人は育てるのがお上手のようだ。 ヤマノイモ科。別名ヤマイモ、ジネンジョ(自然薯)。日本…

ローゼルの畑

快晴の空の下、神奈川県伊勢原市の丹沢の山裾にあたる丘陵地を歩いてきた。フットパス普及のNPOのイベントである。途中ミカン狩りをした。そのミカン園で見たことのない紅い実が売られていた。径1.5㎝ぐらいで、聞くと名前はローゼル。ハイビスカス・ティー…

ヤマボウシの実

ヤマボウシは民家の庭に植えられているものをよく見る。6,7月の花の季節は木全体が真っ白になって美しい。街を歩いていて実が成っているのを見かけた。 実は直径1.5㎝ぐらいの球形。集合果で、表面のポツポツの一つ一つが雌シベの痕跡である。中は黄色い…

エンジュ(槐)

街路樹。東京都心などでは街の雰囲気に合わせてちょっと珍しい木が使われている場合がある。しかし近所のものはよく見るタイプで名前すら知らなかった。当たり前すぎて興味を引かなかったためだ。初夏に高いところで白い花が咲き、足元に散り敷いた花と羽状…

川の中のオオブタクサ

市街地の川は両岸と底がコンクリートで固められており、水流も普段は一定である。川の中は本来水草以外生えないはずなのだが、意外に多くの植物が見られる。太陽光と水、栄養(汚水の)は十分だが、常に流されるリスクがあるという独特の生態系だ。 茶色のソ…

エノキグサ

路傍の草むらから赤い花穂が出ていてその存在が知れた。繁茂するイネ科やキク科と比べると奇妙な感じを受ける植物だ。調べるとトウダイグサ科のエノキグサであった。確かに葉はエノキ(榎)そっくりだ。草丈は30~50㎝である。 「灯台(とうだい)」とは、小…